冬の夜

日本の童謡・唱歌/囲炉裏火はとろとろ 外は吹雪

『冬の夜』は、1912年(明治45年)に「尋常小学唱歌 第三学年用」で発表された文部省唱歌。作詞・作曲者は不明。

外は一面雪に覆われ、吹雪が吹き荒れる厳しい冬。明治時代後期はまだテレビはおろかラジオすらなかった時代。雪に閉じ込められ、囲炉裏端で体を温めながら、家族は寄り添い、母は裁縫、父は縄をないながら、子供たちと身を寄せ合って団らんの時を過ごした。

歌詞にある「囲炉裏火はとろとろ」という独特の描写が、身を寄せ合う家族の穏やかな空気とゆったりとした時間の流れを巧みに表現している。

さらに、直後に「外は吹雪」の歌詞を配置することで、温かい室内と寒い屋外が対比され、よりその温かさが強調されるとともに、空間的な広がりも表現できている。

なお、同時期に文部省唱歌として発表された冬の童謡・唱歌としては、歌い出しが「さ霧消ゆる湊江(みなとえ)の」で始まる唱歌『冬景色(ふゆげしき)』「雪やこんこ あられやこんこ」で始まる唱歌『雪』が今日でも有名である。

【試聴】童謡・唱歌 『冬の夜』 

歌詞

燈火(ともしび)ちかく衣縫ふ(きぬぬう)母は
春の遊びの楽しさ語る
居並ぶ子どもは指を折りつつ
日数(ひかず)かぞへて喜び勇む
囲炉裏火(いろりび)はとろとろ
外は吹雪

囲炉裏の端に繩なふ父は
過ぎしいくさの手柄を語る
(過ぎし昔の思い出語る)
居並ぶ子供は ねむさを忘れて
耳を傾け こぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪

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