ブライアン・ボルー・マーチ
Brian Boru's March

バイキングの侵略からアイルランドを救った英雄ブライアン・ボルー王

『ブライアン・ボルー・マーチ Brian Boru's March』は、11世紀アイルランドの英雄ブライアン・ボルー王を歌ったアイルランド民謡。NHK名曲アルバムでは『ブライアン・バル・マーチ』とも表記されている。

「マーチ」と銘打たれているが、今日一般的な行進曲・マーチに見られる軽快で勇壮な曲調ではなく、哀愁漂うしっとりとしたメロディで、アイルランドのいにしえの歴史と伝説的ヒーロー、ブライアン・ボルー王を静かに偲ぶ歴史的ロマンあふれる民謡となっている。

クロンターフ城(アイルランド・ダブリン北部)

吹奏楽曲やカバー曲も

アメリカの作曲家ロバート・W・スミス(Robert W. Smith/1958-)により吹奏楽曲『Ireland Of Legend and Lore』にアレンジされ、日本でも『伝説のアイルランド』のタイトルで、小学校・中学校・高校の吹奏楽部の定番曲として親しまれている。

また2011年には、ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」主題歌を歌ったフランスの女性歌手・ハープ奏者セシル・コルベル(Cécile Corbel/1980-)が、自身のアルバム「Songbook 3: Renaissance」の中で、この『ブライアン・ボルー・マーチ』をカバーしている。

【YouTube】セシル・コルベル Brian Boru

【YouTube】Loreena McKennitt - Brian Boru's March

バイキングを撃退したブライアン・ボルー王

ブライアン・ボルー(Brian Boru/941–1014)が生まれた頃のアイルランドは、ノルマン人(バイキング)から度重なる侵略を受けていた。

1014年4月、アイルランド王(the High King)ブライアン・ボルーはついに立ち上がり、ダブリン北部、クロンターフの戦(Battle of Clontarf)にてバイキングに対して歴史的大勝利をおさめ、その後100年間の平和をもたらした。

ブライアン・ボルーは戦いの直後、バイキングの残党に襲われ命を落としてしまったが、彼の勇気と功績はアイルランドの歴史上大きな意味を持つものとなり、国民的英雄として後世まで語り継がれ愛され続けている。

2014年はブライアン・ボルー没後1000周年

クロンターフの戦から1000年後の2014年は、アイルランドの英雄ブライアン・ボルー王の没後1000周年という記念すべき節目の年。

ブライアン・ボルーにゆかりの深いダブリン州やクレア州などでは、没後1000年を記念するシンポジウムや歴史的名所巡りツアーなどの記念行事・イベントが1年を通して実施された。

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