お猿と鏡 チェコ民謡

お猿が見たよ スタディヤ ディヤ♪

『お猿と鏡』は、NHK「みんなのうた」で1963年10月に初回放送されたチェコ民謡。NHK「おかあさんといっしょ」でもカバーされた。

歌詞の内容は、鏡に映った自分の姿を見た猿が、自分の動きを猿真似する鏡の自分を不思議がるという他愛のない内容。原曲のチェコ民謡も同じ内容かは不明。

さて、ヨーロッパで猿と鏡というと、ドイツ・ハイデルベルク城の橋に設置された猿と鏡の銅像が有名。

ドイツのチェコは隣国であり、歴史的にも密接な関係があったことから、「猿と鏡」には何らかの意味があるのかもしれない(詳細は後述)。

写真:ハイデルベルクの猿と鏡の銅像(出典:Wikipedia)

【YouTube】 お猿と鏡

歌詞(作詞:宮林 茂晴)

1.
お猿が見たよ スタディヤ ディヤ
鏡を見たよ スタディヤ ディヤ おや!

これは不思議 ズンタディヤダ
はてなはてな ズンタディヤダ
おかしな奴 ズンタディヤダ しかめ面

2.
お猿がびっくり スタディヤ ディヤ
これは不思議だ スタディヤ ディヤ おや!

右を見ても ズンタディヤダ
左見ても ズンタディヤダ
ギョロリン目の ズンタディヤダ お猿の顔

ドイツ・ハイデルベルクの街並み

猿と鏡の銅像があるハイデルベルク(Heidelberg)は、ドイツ連邦共和国バーデン=ヴュルテンベルク州北西部に位置する都市。

ハイデルベルク(ドイツ)

ライン川とネッカー川の合流点近くに位置し、ネッカー川にかかる古い橋「アルテ・ブリュッケ(カール=テオドール橋)」のたもとに猿と鏡の銅像が設置されている。

ちなみに左手奥の城塞は、プファルツ選帝侯の居城であったハイデルベルク城。

写真:ハイデルベルクの街並み(出典:Wikipedia)

銅像の意味と歴史

橋のたもとに設置された猿と鏡の銅像は、ウィキペディア英語版の解説によれば、歴史的に15世紀までさかのぼる古いもので、当初は石像だったようだ。

場所も現在のような橋のたもとに露出する形ではなく、旧市街とは反対側の岸にあった橋の塔の中に備え付けられていたという。

この猿と鏡の像が当初どんな意味合いで設置されていたのかについては不明。一節によれば、ハイデルベルク城のプファルツ選帝侯(ライン宮中伯)と、絶大な権力を持っていたマインツ大司教との対立関係が歴史的な背景にあるとも考えられている。

ちなみに「選帝侯(せんていこう)」とは、神聖ローマ帝国において君主を選ぶ選挙権(選定権)を持っていた諸侯のこと。マインツ大司教も選帝侯の1人。

金運アップの観光名所に

現在、ハイデルベルクの猿と鏡の銅像は、金運アップのご利益がある観光名所として、世界各国から多くの観光客が訪れている。

猿の銅像が持つ鏡を撫でると、お金持ちになれるという俗信が広まっているようなのだ。観光客を集めたい町の戦略なのかもしれないが、本当に金運アップのご利益があるのなら、是非ともあやかりたいものだ。

ちなみに、猿の顔の部分は下から入れる空洞になっており、仮面のようにかぶったような状態で記念写真を撮ることができる。

写真:ハイデルベルクの猿と鏡の銅像(出典:poktomi@Wikimedia Commons)

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