カナダ建国の歴史

イギリスとの植民地戦争に敗れたケベック州(フランス)

イギリス連邦王国の一国としてエリザベス2世を君主と仰ぐ連邦立憲君主制国家、カナダ(Canada)

17世紀初頭に北アメリカ大陸へ入植が始まった当時は、現在のカナダ東部ケベック州(Quebec)をはじめとして、フランスが「ラ・ヌーヴェル・フランス Nouvelle-France」と呼ばれる広大な領土を占有していた。

しかし、ヨーロッパでの七年戦争が波及したイギリスとの植民地戦争「フレンチ・インディアン戦争(1755-1763)」に敗れ、以後ケベック州はイギリスによる支配を受けることになる。

挿絵:イングランド軍に占領されるモントリオール(1760年)

当初はイギリスのプロテスタントによるケベック州のカトリック拒絶が進んだが、ケベック州の人々がアメリカ独立運動に加担することを恐れたイギリス本国は、1774年のケベック法によりカトリックの信仰と自由な行動が保証され、フランス私法の復活も約束された(翌年にアメリカ独立戦争が勃発)。

その後のカナダ

1812年の米英戦争(アメリカ国歌誕生)ではイギリス側につき、以後もイギリスに忠誠を誓い続けたカナダ諸州は1848年、外交権以外の自治権を獲得。

1867年7月1日にはオンタリオ、ケベック、ノヴァスコシア、ニューブランズウィックのイギリス植民地が統合され、連邦国家である自治領カナダが誕生した。

挿絵:東部の薄いオレンジ色がケベック州

その後1926年に外交権が認められ、完全な主権国家としての地位を獲得すると、1931年にはイギリス議会が制定したウエストミンスター憲章により、オーストラリアニュージーランドと同様に、イギリスからの実質的な独立を果たした。

ちなみに、現代のカナダでは、自治領カナダが誕生した1867年7月1日を記念して、「7月1日」をカナダの国民の祝日「カナダの日」、または「カナダの誕生日」として祝っている。

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