バナナ・ボート・ソング 歌詞の意味

ハリー・ベラフォンテのカバーで大ヒット

『バナナ・ボート・ソング Banana Boat Song』は、カリブ海に浮かぶ中央アメリカの島国ジャマイカで歌われていた労働歌(ワーク・ソング)。

単に『バナナ・ボート』、または歌い出しの歌詞から『Day-o デイ・オー』とも題される。

バナナ

この歌がモチーフとしているのは、観光客向けのウォータースポーツとしてのバナナボートではなく、バナナ園で収穫した青いバナナを積み込むためのボートのこと。

歌詞では、収穫された大量のバナナを船へ積み込む労働者たちが、夜通し行われるバナナ運びのきつい肉体労働に耐えながら、「日が昇ったら仕事を終えて早く家に帰りたい」と繰り返し歌い続けられる。

【YouTube】Harry Belafonte - "Banana Boat Song (Day O)" - 1956

歌詞の意味(抜粋)

Day-o, day-o
Daylight come and me wan' go home
Day, me say day, me say day...day-o
Daylight come and me wan' go home

朝日だ、日が昇る
夜が明けたら ウチに帰りたい

Work all night on a drink of rum
Daylight come and me wan' go home

ラム酒を飲んで徹夜で作業

Stack banana till de morning come
Daylight come and me wan' go home

日が昇るまでバナナを積み込む

Come, Mister tally man, tally me banana
Daylight come and me wan' go home

荷役係の兄ちゃんよ、運んだバナナを数えておくれ

Six foot, seven foot, eight foot bunch
Daylight come and me wan' go home

一房に6本、7本、8本のバナナ

(注:歌詞の「foot」は「hands」で歌われることもある)

バナナボートと海

写真:観光客向けのウォータースポーツとしてのバナナボート

歌詞の英語について

注:アフリカ系移民が使う英語があえて使われているため、通常の英文法とは異なる表現が見られる。同様の歌詞は、アメリカ歌曲『主人は冷たい土の中に』(フォスター作曲)にも見られる。

英語版の歌詞(抜粋)

ちなみに英語版「The Hideo Nomo Song」の歌詞(抜粋)は次のとおり。

Hide-o, Hide-o, Nomo pitch and nobody come home

One strike, two strikes, three strikes, OUT!
Nomo pitch and nobody come home

Tornade is coming now!
Nomo pitch and nobody come home

世界的に有名なハリー・ベラフォンテ盤

1956年、ジャマイカ系歌手のハリー・ベラフォンテ(Harry Belafonte/1927-)が『バナナ・ボート・ソング』をカバーし、世界的に大ヒットした。

Best of Harry Belafonte

歌詞である「Day-o, Day-ay-ay-o(デーオ、ディエィエィオ)」や「me say day, me say day・・・(ミセィディ、ミセィディ・・・)」の語感が日本でも受けて、いくつかのカバー版がリリースされヒットを記録した。

日本ではコミカルな替え歌にも

掛け声の「me say day, me say day・・・(ミセィディ、ミセィディ・・・)」の部分については、日本語の空耳ソング的な観点から、時としてコミカルな替え歌として歌われる機会があるようだ。

代表的な替え歌を勝手に分類すると、「イデデ、イデデ(イテテ、痛てて)…」と痛がる「イテテ系」や、「ミセテ、ミセテ…」と見たがる「見せて」系などに大きく分かれるようだ。

また、他の歌詞「Come, Mister tally man, tally me banana カム・ミスタ・タリマン・タリミ・バナーナ」の部分については、「今月は足りない 借りねばならぬ」との空耳歌詞が流行した時期もあったようだ。

野茂英雄の替え歌応援ソング

『バナナ・ボート』替え歌ソングの延長線上で、アメリカ・メジャーリーグのドジャースに移籍した野茂英雄(のも ひでお)の応援歌が1995年にリリースされた。

野茂英雄

カバーしたのはラテンバンド、ディアマンテス(DIAMANTES)。「野茂英雄のテーマ HIDE〜O」のタイトルで、冒頭の歌詞から「ヒデーオ・ヒデイ・エイ・エイ・オー 野茂が投げれば大丈夫」と大胆に替え歌が取り入れられた。

【YouTube】野茂英雄のテーマ HIDE~O Eng.ver song by DIAMANTES

もともとメジャーリーグのスタジアムで野茂英雄選手の応援歌「The Hideo Nomo Song」として歌われていたもので、日本語版のオフィシャルな曲としてレコーディングを依頼されたという。ディアマンテスはスペイン語版もリリースしている。

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