勇気一つを友にして

作詞は『グリーン・グリーン』を手掛けた片岡輝

『勇気一つを友にして』は、NHK「みんなのうた」で1975年10月に初回放送された子供向けの楽曲。歌いだしは「昔ギリシャのイカロスは ロウでかためた鳥の羽根」。

挿絵は、ルーヴル美術館所蔵の絵画「太陽またはイーカロスの墜落」。太陽神ヘリオスに向かって飛んでいったイカロスは、太陽の熱でロウを溶かされ墜落した。

作詞は『グリーン・グリーン』を手掛けた片岡輝(かたおか ひかる)、作曲は『はたらくくるま』シリーズや『おもちゃのチャチャチャ』などを作曲した越部 信義(こしべ のぶよし)。

『勇気一つを友にして』のストーリーは、ギリシア神話に登場する大工ダイダロスと息子イカロスの脱出劇をモチーフとしている。

ダイダロスと息子イカロスはなぜ逃げなければならなかったのか?きっかけとなった「ミノタウロスの迷宮」について簡単に解説しておく(後述)。

【試聴】勇気一つを友にして(カバー)

ミノタウロスの迷宮を作ったダイダロス

ミーノース(ミノス)王に保護されていた大工ダイダロス(イカロスの父)は、王の命令を受け、牛頭人身の怪物ミノタウロス(ミーノータウロス)を閉じ込めるための脱出困難な迷宮(ラビュリントス)を作り上げた。

ミノタウロスはミーノースの息子で、海の神ポセイドンの怒りで牛の頭をもった怪物にされてしまっていた。

テーセウスのミノタウロス退治

ミーノースが降伏させたアテーナイは、毎年ミノタウロスへの生贄を要求されていた。これに怒ったアテーナイの英雄テーセウスは、ミノタウロスを倒すべく自ら生贄として乗り込んだ。

やってきた英雄テーセウスを見てミーノースの娘アリアドネが一目惚れ。彼を死なせたくないと、迷宮からの脱出法を大工のダイダロスから聞き出し、魔法の毛糸と短剣をテーセウスに手渡した。

ミノタウロスを倒したテーセウスは迷宮を脱出し、アリアドネと共に島を脱出した。

幽閉されたダイダロスとイカロス

ミノタウロスの死を知ったミーノースは激怒し、迷宮の秘密を教えたダイダロスを息子イカロスと共に高い塔へ幽閉した。

ダイダロスは鳥の羽根を蝋(ろう)で固めて翼を作り上げ、息子イカロスと共に空を飛んで脱出することに成功した。

ロウで固めた鳥の羽は湿気と熱に弱いことから、「海面へ近づくな、太陽にも近づくな」と父から警告を受けていたイカロスだったが、自由自在に空を飛べる鳥の羽に魅入られ、無謀にも太陽神ヘリオスに向かって飛んで行った。

太陽の熱でロウが溶かされ、イカロスは墜落してしまった。父ダイダロスはシチリア島へたどり着くことができた。

現代のギリシャ・北エーゲ地方には、イカロスが付近の海に墜落したことから命名されたというイカリア島(Icaria)がある。

関連ページ

NHK「みんなのうた」 有名な曲
『コンピューターおばあちゃん』、『北風小僧の寒太郎』、『こだぬきポンポ』など、NHK「みんなのうた」で放送された有名な曲のうち、当サイトに関連する楽曲をまとめたページ。