オランガタン NHKみんなのうた

赤い色の幸せ 青い色の幸せ 誰もが他の色を認めない

『オランガタン』は、NHK「みんなのうた」で1980年2月に初回放送された子供向けの歌。作詞:伊藤アキラ、作曲:惣領泰則。

歌詞では、深い河に隔てられた二つの岸で、一方では青い色の幸せ、一方では赤い色の幸せをもったオランウータン(オランガタン)が登場する。

お互いに相手の色(価値観や主義)を認めない排他的なテリトリーだったが、ある日河が水かさを増して氾濫し、赤と青の二つの色は混ざりあい、一つの紫の世界が出来上がった。

NHK「みんなのうた」放送版ではここで歌は終わるが、やがて水が引いて元の赤と青に戻った世界になるところまで歌は続いている。

歌詞の意味については、聴く人によって様々な解釈があっていいと思うが、一般的には、旧ソ連・中国といった共産主義・社会主義陣営と、アメリカをはじめとする資本主義・自由主義陣営との対立、いわゆる冷戦に言及されることがあるようだ。

【試聴】オランガタン NHKみんなのうた

1980年までの冷戦年表

『オランガタン』を米ソの冷戦と関連付けて解釈する前提として、同曲が発表された1980年までの冷戦の流れを簡単に箇条書きにしてみよう。

1962年 キューバ危機 米ソ全面核戦争の危機

1965年 ベトナム戦争にアメリカ本格参戦 韓国も大規模派兵

1969年 米ソ間で戦略兵器制限交渉が開始 デタント(緊張緩和)の時代へ

1972年 日本が中華人民共和国と国交正常化

1973年3月 ベトナムからアメリカ軍撤退

1979年1月 アメリカ・中国 国交樹立

1979年12月 ソビエト連邦がアフガニスタンへ軍事介入(新冷戦時代へ突入)

1980年2月 NHKみんなのうた『オランガタン』初回放送

1980年7月 モスクワ五輪で西側諸国がボイコット

オランガタンと冷戦

冷戦の観点から『オランガタン』を見てみると、河が氾濫して紫色の世界になるところはデタント(緊張緩和)の時代、そして再び赤と青に元通りになる展開は、ソ連のアフガン侵攻による新冷戦時代への突入が暗示されているようにも解釈できる。

ちなみに、オランウータン(オランガタン)の生息地は東南アジアであり、東南アジアは冷戦時代に米ソの代理戦争の舞台となった地域であることを考えると、この歌のキャラクターとしてオランウータン(オランガタン)が選ばれた理由も、ひょっとしたら冷戦と関連している可能性もあるかもしれないが、真相は不明だ。

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