放蕩息子の帰郷
聖書と「黄色いリボン」の関係とは?

黄色いリボンの謎 ドナドナ研究室

アメリカフォークライフセンターの同記事によれば、1960年台になると、故郷へ帰る元囚人の話は宗教関連の出版物にも登場するようになり、教会で活動する若い人々によって口頭で伝え広められていったとのことです。

新約聖書の"Parable of the Prodigal Son."(放蕩息子の帰郷)との関連性を焦点に当てる口頭伝承も見られるようです。このページでは、"Parable of the Prodigal Son."(放蕩息子の帰郷)のストーリーなどについて解説したいと思います。

 

挿絵:レンブラント「放蕩息子の帰還」1666-68 エルミタージュ美術館

ルカによる福音書 放蕩息子の帰郷

ある人に息子が二人いた。弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前を下さい。』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。

何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、全財産を無駄使いしてしまった。

何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。それで、その地方に住むある人の所に身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。彼は豚の食べるイナゴ豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人は誰もいなかった。そこで、彼は我に返って言った。

『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどのパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にして下さい」と。』

そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて隣(あわ)れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。息子は言った。

『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』

しかし、父親は僕(しもべ)たちに言った。

『急いで一番良い服を持ってきて、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履き物を履かせなさい。それから、肥えた子牛を連れてきて屠(ほふ)りなさい。食べて祝おう。この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』

そして、祝宴を始めた。

(引用)日本聖書協会「新共同訳」ルカによる福音書 第15章11~24節

放蕩息子の帰郷は「黄色いリボン」のルーツ?

新約聖書 "Parable of the Prodigal Son."のストーリーは、自ら過ちを犯して家を離れた者が改心して家に帰ってきた時、本来なら追い出されてもおかしくないところを、逆に寛大にも暖かく迎え入れられたというものです。

もしかしたら、この"the returin of the Prodigal Son."(放蕩息子の帰郷)のストーリーが、前ページのストーリー、そして"Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree."のストーリーへとつながっていったのかも知れません。

ちなみに、映画「マトリックス・レボリューションズ」でセラフがトリニティーとスミスと3人でメロビンジアンの所へ乗り込んでいくシーンで、メロビンジアンが「The prodigal son returns」というセリフを言ったのは、この"Parable of the Prodigal Son."の暗喩と思われます(オラクルの味方についたセラフが戻ってきたため)。

また、ローリング・ストーンズのアルバム「ベガーズ・バンケット」にもこの「放蕩息子の帰郷」をモチーフにした曲が収録されている等、"Parable of the Prodigal Son."(放蕩息子の帰郷)は非常にポピュラーなストーリーであることが分かります。

【次のページ】 8.ジョン・ウェイン「黄色いリボン」

黄色いリボンの謎 目次

  1. 高倉健「幸せの黄色いハンカチ」
  2. オークの木と黄色いリボン
  3. バスに乗って恋人の元へ
  4. 黄色いリボンの意味の違い
  5. 有名コラムニストの記事
  6. 白いリボンとリンゴの木?
  7. 放蕩息子の帰郷
  8. ジョン・ウェイン「黄色いリボン」
  9. 身に着けるか結びつけるか
  10. 1939年の音声資料とは?
  11. 騎兵の歌と黄色の関係とは?
  12. メロディーのルーツを求めて

【関連曲の試聴など】

アメリカ民謡『黄色いリボン She Wore a Yellow Ribbon』

トニー・オーランド&ドーン 『Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree』

【ドナドナ研究室とは?】

「ドナドナ研究室」とは、『アメイジング・グレイス』、『森のくまさん』、『グリーングリーン』、『ドナドナ』など、誰もが知ってるあの曲のエピソード・ルーツ・歴史的背景などの謎に迫る研究ページ。

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