黄色いリボン 歌詞の意味・和訳 映画主題歌

ジョン・ウェイン主演の映画主題歌として有名なアメリカ民謡

『She Wore a Yellow Ribbon』(シー・ウォア・ア・イエロー・リボン/黄色いリボンは、19世紀から歌われているアメリカ民謡

歌詞の中では、遠くに行ってしまった彼氏の無事を願い、黄色いリボンを身につける女性が登場する。

ジョン・ウェイン主演による1949年公開のアメリカ映画「黄色いリボン」で主題歌に使用され、世界的に有名になった。

映画「黄色いリボン」DVD

ジャケット写真:映画「黄色いリボン」DVD ジョン・ウェイン主演

映画「黄色いリボン」は、巨匠ジョン・フォード監督による「アパッチ砦」「リオ・グランデの砦」と並ぶ騎兵隊3部作の一つ。駅馬車を護衛する騎兵隊のストーリーが描かれる。

ちなみに、黄色いリボンと言えば、アメリカでは黄色いリボンを木に巻きつける風習があり、これには1973年の大ヒット曲『幸せの黄色いリボン(Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree)』が関連している。

【YouTube】黄色いリボン She Wore a Yellow Ribbon

歌詞の一例・意味・日本語訳(意訳)

Round her head
she wore a yellow ribbon
She wore it in September
and in the month of May

They asked, they asked
the reason why she wore it
She wore it for her sweetie
who was far, far away

彼女が巻いてる黄色いリボン
5月と9月に身に着ける
みんなが理由を尋ねると
遠くの彼氏のためだって

Far away, far away
And she wore it
for her sweetheart
Who was far, far away

遠く 遠く
恋人想って黄色いリボン

ルーツは南北戦争の騎兵隊?

「黄色いリボン」の「黄色」という色のルーツについては、19世紀南北戦争時代(1861-1865)のアメリカまで遡ることができる。

南北戦争時代には、兵士らのユニフォームの色づけの規則として、Infantry(歩兵)は青、Cavalry(騎馬兵)はYELLOW、そして砲兵(Artillery)はREDという決まりがあった。

この「Cavalry(騎馬兵)」は「黄色」という配色が、後の『黄色いリボン』につながったのではないかと推察される(上画像の左側)。

南北戦争で愛する人が遠い戦場へ出征し、一人残された者が、兵士の安否と無事の生還を祈って黄色いリボンを身につけるというストーリーが、このアメリカ民謡『黄色いリボン』の歌詞によくなじむ。

実際、南北戦争の第7騎兵隊(the 7th CAVALRY REGIMENT)では、このアメリカ民謡『黄色いリボン』に似た曲がよく歌われていたという。

実はイギリスがルーツ?

アメリカ民謡『She Wore a Yellow Ribbon』は、意外にも19世紀イギリスにおける出版物にその原形・ルーツが確認されている。

アメリカはイギリスから独立した国家であり、その文化がイギリスから影響を受けているのは当然なのだが、アメリカ映画「黄色いリボン」の影響が強いせいで少し意外に感じられるかもしれない。

『She Wore a Yellow Ribbon』のルーツと考えられるのは、19世紀イギリスに伝わる民謡『All Around My Hat』(オール・アラウンド・マイ・ハット)。

古い民謡なので様々な歌詞が存在するが、その一例をご紹介したい。

My love she was fair
and my love she was kind too
And many were the happy hours,
between my love and me

I never could refuse her,
whatever she'd a mind to
And now she's far away,
far o'er the stormy sea.

All 'round my hat
I will wear a green willow
All 'round my hat
for a twelve month and a day

If anybody asks me
the reason why I wear it
It's all because
my true love is far, far away.

前半部分のストーリーは異なるが、コーラス部分の歌詞は、アメリカ民謡『She Wore a Yellow Ribbon』との共通点・類似点が多い。

よく見ると、『She Wore a Yellow Ribbon』の「yellow ribbon」が、イギリスの原曲では「green willow(緑のヤナギ)」になっているのが興味深い。

大修館書店「ジーニアス英和辞典(改訂版)」によれば、willowの花言葉は「見捨てられた恋人」となっており、この曲でもその意味を踏まえて「willow」を用いている可能性がある。

「willow(ウィロー)」は「yellow(イエロー)」と発音もスペルも似ており、おそらく長い年月をかけて人から人へ歌い継がれていく過程において、より明るく楽しい方向へ歌詞がアレンジされていったものと考えられる。

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