盲目のフィドル弾き伝説とは?
メロディーのルーツに迫る

ダニーボーイの謎 Danny Boy

彼女が「ロンドンデリーの歌」とどのようにして出会うことができたのか?この点について、有名な伝説が残されていますのでご紹介します。

ある日、彼女は地元のLondonderry地方のリマバディ(Limavady)にあるthe Burns & Laird Shipping Officeの近くを通りかかりました。

そこはある盲目のフィドル弾きがよく演奏していたところで、彼女の自宅のすぐ近くだったようです。アイルランドの有名な民謡収集家の一人であるSam Henry氏によれば、彼の名はJimmy McCurry (1830-1910)というそうです。

彼女は、盲目のJimmyが演奏する曲をふと耳にすると、すぐにそれが今まで聞いたことのない素晴らしいメロディーであることに気付き、彼の元に駆け寄って、その曲を彼女が書き取ることができるまで何度も何度も演奏するように頼んだといいます。

もちろん最後にはちゃんとチップを渡したのですが、それが金額的にちょっと多かったため、Jimmyが少し慌てて返そうとしたというエピソードもあるようです。

参考:盲目のJimmyが弾いていた曲のルーツは?

盲目のJimmyが弾いていた曲のルーツについて今からご紹介する説は、客観的な裏づけ資料が非常に乏しく、私自身疑問に思っているエピソードなのですが、本当だとしたら非常に興味深いもののため、参考程度に取り上げてみたいと思います。

Jane Rossが住むリマバディ(Limavady)のRoe Valleyは、その昔オカハン族(the O’ cahan)の土地だったものを、1600年初頭にイギリスが軍事的に制圧し、オカハン族から取り上げたものでした。

土地をイギリスに接収されてからしばらくたったある日の晩、オカハン族の首長であるRory Dali O’ cahan (1550-1660)は深酒をして酔っ払い、いい気分でRoe Valleyの川沿いの土手をふらふらしていたところ、足を滑らせて谷間に転げ落ちてしまいました。

なかなか帰ってこない首長を心配して、彼の部下が探しに来たのですが、気を失っている首長を見つけたその辺りで、今まで聞いたこともないような不思議なハープの音色が聞こえてきたのでした。

首長が意識を取り戻すと、彼は直ぐにこの音色が妖精の奏でる音楽だと気付き、注意深く耳をそばだててその音色を記憶したのでした。

その音色は、土地を奪われたオカハン族の怒りと嘆きを表しているような物悲しい旋律であったことから、”O’cahan’s Lament(オカハン族の嘆き)”と名づけられました。その後ハープ奏者らによって引き語り継がれ、盲目のJimmyの知るところとなったそうです。

「ロンドンデリーの歌」は彼女の創作か?

盲目のフィドル弾き伝説は彼女の作り話であり、メロディーは彼女自身の創作であるとの説も一部にはあるようですが、本当のところはどうなのでしょうか?

昔から誰もが知っているメロディーなのであれば、この曲にまつわる他の人のエピソードが存在してもおかしくありません。

よく調べてみると、ある楽器会社の創業者が興味深いエピソードを自社のWEBサイト上で公開しているのが確認できました。その内容とは・・・次のページに続きます。

【次のページ】 7.彼女の創作疑惑

ダニーボーイの謎 目次

  1. 父親の歌?母親の歌?
  2. 法律のできるソングライター
  3. アイルランドからアメリカへ①
  4. アイルランドからアメリカへ②
  5. ロンドンデリーの歌
  6. 盲目のフィドル弾き伝説
  7. 彼女の創作疑惑
  8. 見当たらない彼女のメロディ
  9. 青年の夢
  10. 100曲以上の歌詞

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