「New Britain」誕生
ついにめぐり合うメロディーと歌詞

アメージンググレース Amazing Grace

一緒になるべき歌詞を求めてあちこち彷徨っていたメロディが、ついにジョンニュートンの歌詞と出会うことになるのは、1835年のことでした。

南キャロライナ出身のウィリアム・ウォーカー(William Walker)が、それまで用いられていた源流のメロディーを「New Britain」と新たに命名し、彼なりのアレンジを加えた上で、ジョン・ニュートンのAmazing Graceの歌詞に初めて用いたのです。

この「New Britain」が収められた歌集「サザンハーモニー(Southern Harmony)」は、主にアメリカ南部の州で発売され、当時としては60万部以上の大ヒットを記録したようです。

「New Britain」が生まれた1835年のアメリカ

アメージンググレースの原曲「New Britain」が発表された1835年のアメリカは、独立宣言(1776年)から60年が経過しており、英米戦争(1812-15)終結後、ルイジアナへと盛んにフロンティアを西へ西へと押し進めていた頃でした。

1840年頃からは太平洋沿岸の新天地オレゴンへと開拓を進め、その道筋は「オレゴン街道」と呼ばれています。スペインとの戦争の結果、1848年にはメキシコ北部のニューメキシコとカリフォルニアを獲得し、同年、カリフォルニアで金脈が発見されています(ゴールドラッシュの始まり)。

ちなみに、1835年においてS・C・フォスターは8歳頃、H・C・ワークは2歳頃、ジョン・ブラウンは35歳頃になっています。

<関連ページ>

・『S・C・フォスター特集』~フォスターの人生と作品

・『大きな古時計特集』~曲のエピソード、誕生秘話、続編の解説

・ドナドナ研究室 No.006『リパブリック讃歌 歴史編』~ジョン・ブラウン伝説~

アメリカ北部の州でも出版される「New Britain」

1844年には、「New Britain」が収められた歌集「The Sacred Harp」がべンジャミン・フランクリン・ホワイト(Benjamin Franklin White)氏により発行され、この歌集により「New Britain」はアメリカ北部の諸州にも広まることとなりました。

ちなみに、約20年後の1861年に勃発した南北戦争では、北軍の兵士達に支給された讃美歌集にも収録された程に、「New Britain」はアメリカ北部でも定着していったようです。

最終ページ 「7.メロディーの国籍」へ進む→

アメージング・グレース 歌詞・メロディーのルーツ 目次

  1. はじめに
  2. 1779年の讃美歌集
  3. 歴代志のストーリー
  4. 感嘆するダビデ王
  5. 彷徨うメロディー
  6. NEW BRITAIN 誕生
  7. メロディーの国籍

関連ページ

アメイジング・グレイス 歌詞の意味・日本語訳
歌詞では、ある体験を通して神の恵みに目覚めたジョン・ニュートンの敬虔な心境がつづられている。
ドナドナ研究室 世界の名曲の謎・ルーツを探る
アメイジング・グレイス、森のくまさん、グリーン・グリーン、ドナドナなど、日本でも有名な世界の名曲にまつわる面白エピソードや原曲のルーツ・謎に迫る研究ページ