2015 ニューイヤーコンサート 曲目解説・指揮者

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

開催日:2015年1月1日

会場:ウィーン楽友協会 黄金ホール

指揮:ズービン・メータ(2007年以来5度目)

特記:ヨハン・シュトラウス2世 生誕190年、末弟エドゥアルト生誕180年

関連ページ: ニューイヤーコンサート 曲目解説・指揮者 一覧

第1部 曲目一覧(演奏順)

オペレッタ『ウィーンの朝・昼・晩』序曲
フランツ・フォン・スッペ作曲『Ein Morgen, ein Mittag, ein Abend in Wien - Ouverture』。1844年2月初演。スッペは1860 年にウィーンではじめてオリジナル・オペレッタを作曲した音楽家。
ワルツ『東方のおとぎ話』
ヨハン・シュトラウス2世『Märchen aus dem Orient』作品444。オスマン帝国の第34代皇帝アブデュルハミト2世(1842-1918)に献呈された。ちなみにオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が日本で遭難した事件があるが、当時の皇帝はアブデュルハミト2世。
ポルカ・フランセーズ『ウィーンの生活』
ヨーゼフ・シュトラウス『Wiener Leben』作品218。1867年の謝肉祭に開催された仮面舞踏会「ウィーンとパリの生活」で初演された。
ポルカ・シュネル『人が笑い生きるところ』
エドゥアルト・シュトラウス『Wo man lacht und lebt』作品108。オーストリアのウィーンで1873年に開催されたウィーン万博(万国博覧会)にちなんで作曲された。
ワルツ『オーストリアの村つばめ』
ヨーゼフ・シュトラウス『Dorfschwalben aus Österreich』作品164。オーストリアの小説家アウグスト・ジルバーシュタインの小説に着想を得て作曲された。ツバメの鳴き声を再現するために鳥笛が用いられるなど、村つばめが訪れる初夏のウィーンのさわやかな自然が表現されている。
ポルカ・シュネル『ドナウの岸辺から』
ヨハン・シュトラウス2世『Vom Donaustrande』作品356。1873年に開催されたウィーン万博にちなんで作曲された。自身のオペレッタ『ローマの謝肉祭』からメロディが引用されている。

第2部 曲目一覧(演奏順)

『常動曲(音楽の冗談)』
ヨハン・シュトラウス2世『Perpetuum mobile / Musikalischer Scherz』作品257。原曲名はラテン語で「永久運動」を意味し、各楽器が代わる代わる妙技を披露して「終わりのない音楽」を表現している。
『加速度円舞曲』
ヨハン・シュトラウス2世『Accelerationen』作品234。1860年2月の技術者舞踏会で初演された。ピアノ初版譜の表紙には、蒸気船や熱気球、電線などが描かれ、産業革命の時代を象徴している。
『電磁気ポルカ』
ヨハン・シュトラウス2世『Elektro-magnetische Polka』作品110。1852年2月の技術者舞踏会で初演された。電磁気の実用化に貢献したデンマーク人のエルステッドを讃える楽曲。
ポルカ・シュネル『蒸気をあげて』
エドゥアルト・シュトラウス『Mit Dampf』作品70。曲名のとおり、蒸気機関車をモチーフとした軽快なポルカ。1871年2月の工業舞踏会で初演された。
ワルツ『エルベのほとりで』
ヨハン・シュトラウス2世が作曲した最後のワルツ『An der Elbe』作品477。1897年 11月楽友協会で初演された。
シャンパン・ギャロップ
北欧のシュトラウスと称賛されるデンマークの作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビ(Hans Christian Lumbye/1810–1874)による『Champagner-Galopp』作品14。デンマークの首都コペンハーゲンの住民は、ロンビを尊敬するあまりに、オーストリアのヨハン・シュトラウス2世を逆に「南のロンビ」と呼んでいたという。
ポルカ・フランセーズ『学生ポルカ』
ヨハン・シュトラウス2世『Studenten-Polka』作品263。1862年2月の学生舞踏会で初演された。学生歌『いざ楽しまん』、『さあ、もう一杯、はじけるワインを飲もう!』〉等の学生歌が引用されている。
自由行進曲
ヨハン・シュトラウス1世『Freiheits-Marsch』作品226。ウィーン体制の事実上の崩壊へとつながったヨーロッパ各国の1848年革命との関連性があるようだ。
アンネン・ポルカ
ヨハン・シュトラウス2世『Annen-Polka』作品117。父ヨハン1世による『アンネン・ポルカ』(作品137)から10年後の1852 年に初演された。
ワルツ『酒・女・歌』
ヨハン・シュトラウス2世『Wein, Weib und Gesang』作品333。合唱とオーケストラのために作曲され、ウィーン男声合唱協会によって1869年2月に初演された。
ポルカ・シュネル『粋に』
エドゥアルト・シュトラウス『Mit Chic』作品221。1883年11月にウィーン楽友協会で開催された日曜コンサートで初演された。

アンコール曲目

美しく青きドナウ
ヨハン・シュトラウス2世作曲のワルツ『An der schönen blauen Donau』Op. 314。ニューイヤーコンサートの定番アンコール曲。
ラデツキー行進曲
ニューイヤーコンサートのトリを飾るヨハン・シュトラウス1世『Radetzky March』。観客の手拍子が恒例行事。

関連ページ

ニューイヤーコンサート 曲目解説・指揮者
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による近年のニューイヤーコンサートの演奏曲目・指揮者など関連情報一覧(総合ページ)
ヨハン・シュトラウス2世 有名な曲・代表曲
『美しく青きドナウ』、『こうもり序曲』、『トリッチ・トラッチ・ポルカ』など、ヨハン・シュトラウス2世による有名な曲・代表曲の解説とYouTube動画の視聴
有名なクラシック音楽の名曲
バッハ、ショパン、モーツァルト、ベートーヴェンなど、有名なクラシック音楽の名曲特集