ニューイヤーコンサートとは?

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ニューイヤーコンサートとは、毎年1月1日にウィーン楽友協会の大ホールで行なわれるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の新年コンサート。

演奏風景はライブで世界40カ国以上に中継され、世界中の人々が新年の華やかなコンサートを楽しむ毎年恒例の一大イベントだ。

演奏曲目については、ヨハン・シュトラウス家の作曲家らによる作品を中心に選曲される。各年の具体的な曲目や指揮者については、こちらのページ「ニューイヤーコンサート 曲目解説・指揮者」で詳しく解説しているので適宜参照されたい。

ニューイヤーコンサートが始まったのはいつ?

ニューイヤーコンサートが始まったのは1939年。ウィーン出身の名指揮者クレメンス・クラウスの指揮により初めて開催され、1941年1月1日の第2回からは元旦の正午に開催されるようになった。1955年以降ヴィリー・ボスコフスキーが指揮をし、1959年各国に中継され始めた頃から人気が高まった。

小澤征爾も2002年に指揮(日本人初)

2002年のニューイヤーコンサートでは、「世界のオザワ」として知られる小澤征爾(おざわ せいじ)が日本人指揮者として初めて指揮をとった。

この小澤の指揮により、日本でのニューイヤーコンサートの知名度が大きく向上したと言われている。なお、同年(2002年)から小澤はウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任している。

知っておきたいアンコールでの「お約束」とは?

ニューイヤーコンサートのアンコールでは、毎年決まり事のように守られる「お約束」がある。アンコールは3曲演奏され、2曲目は『美しく青きドナウ』、ラストは『ラデツキー行進曲』が演奏される。

『美しく青きドナウ』の冒頭が演奏されると一旦拍手が起こり、指揮者は演奏を中断し新年の挨拶を行う。そして再び最初から演奏を始める。『ラデツキー行進曲』では、指揮者が観客に手拍子を求めるのが慣習となっている。

演奏曲はどうやって選ばれるの?

ニューイヤーコンサートの曲目の選定は、ヨハン・シュトラウス協会会長やシュトラウス研究家など「シュトラウス一家の権威」が集まって行われている。そこで決まった提案を指揮者とウィーン・フィルに送付し、この両者で検討される。この際、取り上げられる回数の多いポピュラーな曲と、なじみの薄い曲とが出来るだけ交互になるよう吟味されるという。

同じ内容で大晦日にジルベスタコンサート?

実は大晦日の12月31日、同じ場所で本番と同じ内容の年末コンサートが行われている。これはジルベスターコンサートと呼ばれるもので、翌日の本番でのトラブルに備えて録画も撮影される(「ジルベスター(Silvester)」はドイツ語で「大晦日」の意。シルベスターとの表記も見られる)。元々は最終練習であるゲネプロ(ゲネラルプローベ)を公開したもので、現在では本番と同じようにチケットの販売も行われているようだ。

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