サマータイム Summertime 歌詞と和訳

ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin/1898-1937)

『Summertime』(サマータイム)は、1935年にアメリカで初演されたオペラ『ポーギーとベス』で、ヒロインのベスが赤ん坊に歌う子守唄。

ジャズ・スタンダードとして知られるほか、ソウル、R&B、ポップス、ロックなど幅広いジャンルでカバーされている。エラ・フィッツジェラルドのカバーも有名。

作曲者のジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin/1898-1937)は、アメリカのポピュラー音楽・クラシック音楽の両面で活躍し、今日の「アメリカ音楽」を作り上げた作曲家として知られている。

ジャケット写真:エラ・フィッツジェラルド盤『Summertime』

【YouTube】Norah Jones - Summertime

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Summertime』

作詞:アイラ・ガーシュウィン(Ira Gershwin)、デュボーズ・ヘイワード(DuBose Heyward)

作曲:ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)

Summertime
And the livin' is easy
Fish are jumpin'
And the cotton is high

夏の日々
暮らしは楽だ
魚は飛び跳ね
綿花はよく育ってる

Your daddy's rich
And your mamma's good lookin'
So hush little baby
Don't you cry

あなたのお父さんはお金持ちで
お母さんは美人だ
だから静かに
可愛い赤ちゃん
泣かないで

One of these mornings
You're going to rise up singing
Then you'll spread your wings
And you'll take to the sky

ある日の朝
あなたは立ち上がって歌うの
そして翼を広げて
空へ羽ばたいてゆくのよ

But till that morning
There's a'nothing can harm you
With daddy and mamma standing by

でもその朝まで
何にもあなたを傷つけさせない
お父さんとお母さんがそばに居るから

アメリカのフォーク・オペラ

フォーク・オペラ『ポーギーとベス(Porgy and Bess)』は、黒人コミュニティの風俗をリアルに描き、オール黒人キャストという意欲的な作品。ガーシュウィン自身は同作品を「アメリカのフォーク・オペラ」と評している。

その劇中歌『サマータイム(Summertime)』は、ポピュラーソングのスタンダードナンバーとして広く親しまれ、数千にも及ぶカバーが生み出されている。

ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、マイルス・デイヴィスらによるジャズカバーもヒットし、現在ではジャズのスタンダードナンバーとして定着している。

また、20世紀を代表するロシアのヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ(Jascha Heifetz/1901–1987)により、ヴァイオリン独奏用(ピアノ伴奏)に編曲されている。

影響を与えた黒人霊歌・ウクライナの子守唄

ガーシュウィン『サマータイム』については、主にメロディに関してガーシュウィンに影響・インスピレーションを与えたとされる楽曲が2曲存在する。

まず1曲目は、アメリカ黒人霊歌・スピリチュアルの名曲『時には母のない子のように』。オペラ「ポーギーとベス」との内容的関連性もさることながら、冒頭の「Sometimes I feel サムタイムズ・アイ・フィール」の歌詞とメロディが「サマータイム」と非常によく似ている。

2曲目は、ウクライナの子守唄『夢は窓辺を過ぎて』。1920年代のニューヨークで行われたウクライナ国立合唱団による公演で同曲が披露され、ガーシュウィンがそれを聴き影響を受けた可能性があるという。

関連:元ネタ・原曲・似てる曲 そっくりメロディ研究室

関連ページ

ガーシュウィンの有名な曲・代表曲
『ラプソディー・イン・ブルー』、『サマータイム』、『パリのアメリカ人』など、ジョージ・ガーシュウィンが作曲した有名な曲・代表曲の解説とYouTube動画の視聴
ジャズ・スタンダード名曲集 有名な歌まとめ
世界的に有名なジャズの名曲 歌詞の意味・和訳・YouTube動画
有名なクラシック音楽の名曲・代表曲
バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、チャイコフスキーなど、有名なクラシック音楽家による名曲・代表曲の解説とYouTube動画の視聴