シシリエンヌ Sicilienne

ガブリエル・フォーレ(Gabriel Urbain Fauré/1845-1924)

『シシリエンヌ(シチリアーノ)Sicilienne』は、フォーレによる1898年作曲の室内楽曲。後に戯曲『ペレアスとメリザンド』第5曲として転用された。

フォーレ(Gabriel Urbain Fauré/1845-1924)は、フランス南部のアリエージュ(Ariège)で教師の家庭に生まれる。

幼い頃から教会のリード・オルガンに触れるうちに天性の楽才を見出され、パリの宗教音楽学校に通い始める。1861年からは教師としてやってきたサン=サーンスにピアノと作曲を師事。

1865年に卒業後、レンヌの教会オルガニストなどの職を経て、パリのマドレーヌ教会(上写真)でオルガニストとなった。1871年にはサン=サーンス、フランクらとともにフランス国民音楽協会の設立に参加している。

母の死後に作曲された『レクイエム Op.48(1887)は、フォーレの代表作の1つである。しばしば、モーツァルト、ヴェルディの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられる。

ちなみに、マドレーヌ教会の「マドレーヌ」とは、フランス語で「聖女マグダラのマリア」を意味している。

【YouTube】フォーレ シシリエンヌ

バロック期の舞曲形式 シチリアーナとは?

シチリアーナ(siciliana)とは、ルネサンス音楽末期から初期バロック音楽に遡る舞曲の一つ。ゆるやかな8分の6拍子か8分の12拍子で構成され、通常は短調(もしくは自然短音階)をとる。器楽曲だけでなく、オペラ・アリアにも応用されている。

「シチリアーナ」は、「シチリア舞曲 danza siciliana」ないしは「シチリア風に A la Siciliana」に由来する女性名詞であるが、男性名詞である「シチリアーノ(siciliano)」や、フランス語の女性名詞「シシリエンヌ(Sicilienne)」も定着しているようだ。

今日特に有名なシチリアーナとしては、J.S.バッハ作曲とされる『バッハのシチリアーノ』、イタリアの作曲家レスピーギが作曲・編曲した組曲『リュートのための古風な舞曲とアリア』の第3組曲の第3曲がある。

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