聖書の歌

ドヴォルザーク(Anton Dvorak/1841-1904)

『聖書の歌』(Biblické písně / Biblical Songs)作品99、B.185は、19世紀チェコの作曲家ドヴォルザーク(ドボルザーク)が1894年に作曲した歌曲集。全10曲からなる。

当時ドヴォルザークはアメリカに滞在しており、代表作である交響曲第9番『新世界より』作品95は、この『聖書の歌』の半年ほど前にアメリカで作曲されている。

1893年から翌年にかけては、グノー、チャイコフスキー、ハンス・フォン・ビューローと偉大な音楽家たちが相次いで亡くなり、さらにはドヴォルザーク自身の父親も病に苦しんでいた。

もともとドヴォルザークは信仰心の厚い人物であったが、著名な音楽家たちの訃報と父親の重い病状の前に、以前に増して一層敬虔な心境となり、それが、聖書に基づく歌曲集『聖書の歌』の作曲につながったと考えられている。

【YouTube】ドヴォルザーク作曲『聖書の歌』より第10曲(終曲)

日本の童謡『雪』と似ている?

余談だが、ドヴォルザーク作曲『聖書の歌』の第10曲(終曲)『主に向かいて新しき歌を歌え』については、「雪やこんこ あられやこんこ♪」でおなじみの日本の童謡『雪』との関連性が指摘されることがあるようだ。

もちろん先に作曲されたのはドヴォルザークの『聖書の歌』。日本の初期の童謡や唱歌はこうした海外のクラシック音楽や賛美歌などに影響を受けている場合があるので、もしかしたら『聖書の歌』が何らかのインスピレーションを与えている可能性があるかもしれない。

『聖書の歌』全10曲のタイトル

  1. 黒雲と暗闇が主のまわりにあり
  2. 御身はわが隠れ家
  3. 神よ、わが祈りを聞きたまえ
  4. 主はわが牧者
  5. 神よ、神よ、新しい歌を歌わん
  6. おお神よ、わが願いを聞きたまえ
  7. バビロン川のほとりで
  8. 主よ、われを顧みたまえ
  9. 山に向かいてわれは目を上げ
  10. 主に向かいて新しき歌を歌え

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